映画「バック・トゥ・ザ・フューチャー(BTTF)」シリーズで主人公のマーティとドクに負けず劣らず大活躍し世界的に有名となった車「デロリアン」。
その開発者であるジョン・デロリアンの破天荒な半生を描いたドラマ。
BTTFシリーズからはまったく想像のできないデロリアン開発秘話が明かされます。
ジョン・デロリアン映画の作品情報
監督 | ニック・ハム |
---|---|
脚本 | コリン・ベイトマン |
出演者 | リー・ペイス ジェイソン・サダイキス ジュディ・グリア コリー・ストール |
音楽 | ローン・バルフ キム・クルーゲ キャスリン・クルーゲ |
公開日 | 2019年12月7日 |
上映時間 | 113分 |
ジョン・デロリアンの主演キャスト
リー・ペイス
ジェイソン・サダイキス
ジュディ・グリア
コリー・ストール
ジョン・デロリアン 映画の見どころや予告動画
ジョン・デロリアン 映画のネタバレやあらすじ
映画「バック・トゥ・ザ・フューチャー」に登場することでも有名な伝説の車デロリアン。
そんな名車を生み出した天才エンジニア、ジョン・ザッカリー・デロリアンと「デロリアン」が彼にもたらした結末を描いた物語である。
監督:ニック・ハム 主演:リー・ペイス(代表作:「グッド・シェパード」「落下の王国」「ホビット」三部作など)
出演者:ジェイソン・サダイキス、ジュディ・グリア、イザベル・アレイザ ほか
舞台は1977年のカリフォルニア。
ドラックの密輸をはたらきFBIに拘束されたパイロットのジム・ホフマンは、情報提供者になることを交換条件に告訴を免れた。
家族で新居に引っ越した先で、近所の豪邸に住むジョン・デロリアンと知り合ったジム。
FBIから薬物犯罪組織の大物モーガンの情報を求められたジムは、ジョンをおとりに使ってモーガンのしっぽを掴む作戦を思いつくのだった。
ここだけ聞けば主人公はジョンではなくジムなのでは?と思う人もいるだろう。
しかしこの物語はジムから見たジョンの姿であり、あくまでもジョンと名車デロリアンの誕生の裏側を描いた話なのです。
今では高額で取引されている伝説の名車デロリアンの誕生の裏ではどのような事が起きていたのか。
それが今作で明かされていきます。
「ジョン・デロリアン」のあらすじ
1997年、家族とバカンスから戻ってきたジム・ホフマンは空港でFBIに取り囲まれてしまう。
ジムはパイロットとして働く傍ら、麻薬の運び屋をしてお金を稼いでいたのだ。
この時も丁度コカインの密輸中。
絶体絶命のジムにFBI捜査官のベネディクトはある取引を持ち掛けた。
それは大物麻薬ディーラーを捕まえるために、情報提供者になれというもの。
家族と離れ、刑務所で30年過ごすかと言われたジムに選択肢はなかった。
FBIと取引をして告訴を免れたジムは、ある日ガレージで愛車の修理に苦戦していた。
するとそこに近所に住む長身の男が現れたのだ。
その男はジムの愛車を見るとすぐにエンジン不調の原因を見つけ、あっという間に直してしまう。
驚いたジムに対してその男は「私が設計した車だからね」と。
その男こそ、自動車業界に革命をもたらした天才エンジニア、ジョン・デロリアンだったのだ。
ここから詳しいストーリーの解説とネタバレ
ジムとジョンの出会い、そしてデロリアン開発の真実。
ジョンは全く新しいコンセプトの車を作ろうとしていると言い、ジムの目の前でデザイン画を描いて構想を語った。
ステンレス鋼のボディにドアは真横に開く翼のようなガルウィング。
そのデザインにジムはすっかり魅了されてしまった。
ある日、ジムと妻のエレンはジョンのホームパーティに招かれた。
豪華な屋敷で華やかなパーティーを開いたジョンは、そこで開発中の新型車「デロリアン」をプレゼンする。
新会社への投資を募っていたジョンだったが、その後も資金繰りは上手くいかず苦戦を強いられていた。
それでもようやくデロリアンを完成させ発売に至ったのだが、記念すべきデロリアンの第一号車を購入した人気番組司会者のジョニー・カーソンから「デロリアンは欠陥車だ」とクレームが入ってしまい、事業は一機に傾いていく。
そして生産した8000台のデロリアンは半分にも満たない3000台ほどしか売れず、在庫は差し押さえられ、さらに不正経理が発覚してしまい投資も取り下げてしまったのだった。
一方でFBIも動きだし、麻薬ディーラー、モーガン・へトリックに標的を合わせていた。
モーガンはカリフォルニアに流通するコカインの半分を扱う超大物であり、かつてのジムの雇い主。
ベネディクトから話を聞き、さすがに命の危険を感じたジムだったが、ベネディクトが捜査方向を変えることはなかった。
ジムは情報屋としての初仕事の日、ベネディクトから渡された盗聴器を身に着けモーガンを訪ねた。
しかしジムが過去に取引に失敗していたことや、コカインを没収されたこと、そしてそのまま雲隠れしていたことにモーガンは怒り狂う。
恐怖を感じたジムは堪らずFBIがモーガンを嗅ぎまわっていることを漏らしてしまう。
結局ジムは盗聴器をこっそり捨てて、自分に疑いの目が向かないようにして逃げてしまった。
そんな時、八方ふさがりとなっていたジョンがジムの裏の人脈に目をつける。
ジムに3000万ドルの調達を相談したジョンだったが、ジムはこの話を逆に利用したとんでもない計画を思いつくのだ。
それはジョンに麻薬取引をさせ、モーガンと共にFBIに売るいうものだった。
大物麻薬ディーラーと自動車業界の大物を一度に捕まえることができれば大手柄になるというジムの計画にベネディクトも思わず話に乗ってしまう。
ジムはこの作戦が成功したら、見返りとしてモーガンの隠し財産の10%と自分の犯罪履歴の削除を交換条件として提示し、壮大なおとり作戦を実行するのであった。
ジムは早速ジョンとモーガンを引き会わせ、バンカーに扮したベネディクトを仲介人として麻薬取引を持ち掛ける。
3000万ドルという高額な取引に初めは不安を見せたモーガンだったが、最後には取引に承諾しジョンは胸をなでおろした。
「ジョン・デロリアン」の衝撃の結末
ついにやってきた取引当日。
いくつもの隠しカメラが仕掛けられたホテルの一室に、何も知らないジョンがジムに案内されて入ってきた。
バンカー役に扮したベネディクトはアタッシュケースを広げブツを見せる。
そしてジョンがその白い粉を手に取った瞬間、別室で待機していた捜査官たちが一斉に部屋へ突入しジョンは捕らえられてしまう。
一方のモーガンも一足先に捕らえられていたのだ。
まもなくしてジョンの裁判が始まった。
弁護士はジョンが自ら取引を行なったのではなく、ジムから手引きがあったのだと指摘。
ベネディクトが緊張した面持ちで裁判を見守る中、ジムは曖昧な回答しかしない。
結果それが決め手となりジョンには無罪の判決が下された。
後日、ダイナーで再会したジョンとジム。
ジョンは多額の紙幣が入ったアタッシュケースをジムの足元に置いた。
なんと二人は結託し、FBIを欺いてわざと裁判でジョンを無実に導いていたのだ。
ジムはその後保証人プログラムを利用し名前を変えて行方をくらませた。
そしてジョンは最後まで夢を追い続け、2005年にこの世を去ったのだった。
「ジョン・デロリアン」あらすじネタバレ・まとめ
以上がこの映画の大まかな内容となっている。
この映画は実話を基に作られたと言っているが、実際の所どこまでが真実かはわからない。
しかし今でこそ有名な「デロリアン」が欠陥品と言われ、ほとんど売れなかったというのは事実だ。
もしデロリアンの開発を諦めていれば、彼の会社が経営不振に陥ることはなかったのではないか。
ただデロリアンが開発されていなければ名作「バック・トゥ・ザ・フューチャー」のヒットもなかったかもしれない。
そう思うと運命とは不思議なものだと感じざるを得ない気がする。
この映画を見ることで今後名車デロリアンへのイメージが変わってしまう人もいるかもしれないが、これはあくまでも開発者の物語であり、生み出されたデロリアンには何の罪もない。
今まで通り見るものを魅了する名車であり続けることに変わりはないのだ。
また今作で面白かった点はいくつかある。
まず物語の中心が主人公のジョンではなく、第三者であるジムの目線から描かれている点だ。
だからこそ最後まで結末が読めず、ジョン自身の本音もわからない作風となっている。
ジムはジョンより頭も悪く、不器用な男だ。
でもそれは言い換えてみれば、映画を見ている視聴者の僕たちと同じ一般人ということだ。
もちろん普通の人間は麻薬取引などに手を染めたりはしないが、ジムが見ている世界の価値観は僕たち視聴者の気持ちにものすごく近いのではないだろうか。
そんなジムを通してジョンを見るからこそ、ジョンがどういう人物だったのか、ジムはジョンに対してどういう思いを抱いていたのかがより伝わってくる作品になったのではないかと思う。
そして次に注目すべきは麻薬取引などの裏社会を描いているのにバイオレンスな要素は全くないという点だ。
家族や関係者が殺されたり拉致されることもなく、物語は静かに進んでいく。
そのためどこかサスペンスドラマのような緊張感が漂い、最後の結末ではその空気を一気に回収してしまうのだろう。
名車「デロリアン」の誕生秘話だと思って観た人には今作は全く的外れな内容となっているが、映画「バック・トゥ・ザ・フューチャー」へのオマージュも所々に散りばめられている。
またジョンが開発したポンテアックGTOなど、古いアメリカ車も多数登場し、車好きな人にも注目の作品となっているのではないだろうか。
ジョン・デロリアン 映画の口コミやレビュー
『ジョン・デロリアン』あのBTTFのデロリアンを作った男の半生を描いた嘘みたいなほんとの話。
やがて事件に巻き込まれる隣人からの視点だが、話が壮大過ぎてうさん臭く、天才なのか詐欺師なのか見ていても混乱するほど。
想定していた内容とまったく違ったが予想外の面白さ
https://t.co/vFMpOtgtau— まるたばつお (@marutabatsuo) December 26, 2019
『ジョン・デロリアン』予備知識ほとんどないまま観たので予想の斜め上を行く話だったけれど、かえってそれが好みのジャンルですごく面白かった♥️
(エンディングの曲が『フォードvsフェラーリ』予告編の曲だったのだか…向こうは予告のみで本編には使っていなさそう?) pic.twitter.com/sq0GDpotF3— 素子 (@pisces1235) December 25, 2019
ジョン・デロリアン(映画)を見た。デロリアン(人)はたくさん出てくるけどデロリアン(車)の出番が少なくてデロリアン(車)ファンとしてはちょっと物足りなかったな。でも宇宙で一番かっこいい車を作ったのはこんな人なのねーと興味深く見られました
— スズキンマン (@suzuki5963) December 25, 2019
ジョン・デロリアン映画のまとめ
伝説の名車の開発秘話を知るために鑑賞した方の想像と期待を裏切るまったくの人間ドラマとなっているこの映画ですが、BTTFシリーズのあの場面にはこんな意味があったのか、と再発見させるシーンもあり満足の行くものになってると思います。